小説の書き方について考える:BS再考
この記事を閲覧するにはアカウントが必要です。
要旨
- ビートシートは優秀なフレームワークだが、数が多すぎる。
- +すべての物語の型を内包できない。
- +映画用のフレームワークなので、小説や他の媒体に適していないことがある。
- 序破急は少なすぎ。
- 起承転結は漢詩の絶句の構成法なので物語のフレームワークとしては適切でない。
- =あたらしいフレームワークが必要。
新しいフレームワークに求める要件
内包的である
ほとんどすべての人気作品のプロットを当てはめられる。
過不足がない
プロットの要旨を過不足無く説明できる。
novel-friendlyである
漫画やアニメにも適用はできるが、小説に最も向いているフレームワークである。
ターム式プロット
8万字程度の小説を想定。
雑乱期(~10%)
【重要ポイント】
<第一の矢:荒唐無稽>
・最序盤に限り、物語は荒唐無稽であることを許される。(現実の奇跡は創作物の拙劣な展開を正当化しない――ご都合主義の回避と良質な虚構の構築|参考) 故にここでは設定の非現実性などは気にしなくてよい。逆に言うと、なにか現実に即さない設定を出すなら今この場で出しておくべき。
ただし、ただ非現実的なだけではダメ。「魅力的に非現実的」でなければならない。
たとえば舞台を「SF」にすれば、ただそれだけで荒唐無稽を演出できるが、そのSFさが興味深いものでないと魅力は出ない。
「アビスという巨大な洞穴」とか、「ゲーム中の死=実際の死のフルダイブMMO」とか、「宇宙人の先生を暗殺する教室」とか、パっとわかりやすいものがよい。
<第二の矢:非常識性>
・世界観を説明するうえで、以下のうちいずれか或いは両方を選択し、描写する。
1:作中の世界では常識だが、現実世界では非常識なもの
2:主人公の生活では常識だが、我々読者の生活では非常識なもの
第一の矢と1は重複してもよい。問題は2だ。これは、かなり広義的に考えてよい。
例えば『メダリスト』には超常現象は起きないが、主人公がスケート大好きで毎日通っている、という設定が我々(ほとんどの)読者から乖離する。これは「生活の非常識」となる。
『暗殺教室』で言うと、一話の冒頭でなんの説明もなく生徒たちが先生に銃を撃ちまくるシーンがある。これも「主人公の生活では常識だが、我々読者の生活では非常識」の好例。
[!important]
「キャラクター」か「世界」のうち、最低でもいずれかは尖っている必要がある。
たとえば平穏な日常系アニメならキャラクターを尖らせる(e.g.『日常』『ヒナまつり』)。逆に『三体』くらい超現実な世界なら、キャラクターは現実に即していてよい。
<第三の矢:欠落と夢>
「欠落」か「夢」のどちらか或いは両方を提示する。
大体は両方提示した方がいいが、「序」の時点では片方でいいこともある。(後述)序から安定期に移るまでにもう片方を作れればいい。
あるいは、ダブル主人公のような形式の場合はもう片方に預けるというやり方もある(移譲)。
【夢の場合】
・主人公がなりたいものを提示する。「海賊王に俺はなる!」くらいシンプルでわかりやすいものがいい。内容の正当性は関係がない。大事なのはその夢に読者が共感してくれるかどうか。
[!quote]
神話:あなたが知っていることを書け
現実:あなたが感情的に知っていることを書け
夢を提示する場合、その夢が生まれた理由を説明する必要がある。これは大抵の場合は「欠落」によって説明できる。
ここで注意してほしいのは、「夢の理由」は「夢」の下位互換ではないということ。
原因と因果の関係を意識する。「夢」と書くとしっくり来ない時は「目的」としてもよい。
例:
目的:アインクラッド100Fまで辿り着く
理由:ゲームからログアウトして現実世界に帰りたいから
【欠落の場合】
・主人公の「欠落」を提示する。この”提示”は、言語化されていなくてもよい。読者が感じ取れる程度のsubtleな表現でもよい。(もちろん、露骨に提示してもいい)
あるいは世界ごと「欠落」を抱えており、誰もそれに言及していない、という形で歪さを表現することもできる。とにかく「欠落が必要だ」と言われたからといって喧しく表現する必要はないということ。
【「欠落」の定義】
欠落といわれてもどんな設定を作ればいいか、迷う人は多いと思う。
実は欠落には二種類ある。「物理的な欠落」と「精神的な欠落」だ。
もちろんハッキリ白黒つかず両方混在している場合がほとんどだが、主要素がどちらか、は考えた方がいい。
主要素というのはつまり、「そっちを説明したらもう片方はあんまり説明しなくてもいいよ」ということ。
例えば、「のび太は頭が悪い」というのは物理的欠落である。それによって生じる精神的な欠落はあまり説明しなくてもいい(=自明)。
「母親を亡くしている」とか、「片腕がない」とか、「耳が聞こえない」とかもそう。それに伴う精神的苦痛はおおよそ想像できるし、特にdeviantな要素を持っていないなら、少なくとも「欠落」の説明としてはそれで充分だ。ただ、欠落自体が「夢」を説明するためのエレメントにすぎない側面があるので、発展した理由付けが必要なことは留意したい。
[!tip]
「deviantな要素」というのは、つまり
・ 「若い頃にレイプされた」→「トラウマになって男性恐怖症になった」
ではなく
・「若い頃にレイプされた」→「快楽が忘れられず淫乱痴女になった」
みたいな、ふつう想定される流れの真逆を行くような成長を遂げたキャラのこと。
<第四の矢:日常の破壊>
これはビートシートの「触媒(カタリスト)」にあたる。しかし定義は少し異なる。
第二の矢で培った「主人公の常識」あるいは「世界の常識」が破壊される必要があるわけだが、いくつかのケースではこのイベントはそこまで激的である必要はない。
ケース1: 「出会い」のカタリスト
空から天使が降りてくる、不思議な少女と出会う、ドラえもんと出会う、などなど。
「出会い」のカタリストはそれだけでほとんど必要事項を内包してくれるため、とても使いやすい。それ以上濃い味付けをしなくても大体成立する。
ケース2: メロウなトーンの作品
たとえば『古典部シリーズ』には物語冒頭に激的な出会いはない。ああいう淡々とした日常を描く、みたいなコンセプトの作品の場合、激的なカタリストはトーンを崩すおそれがある。「千反田えると出会った」くらいでよろしい。
それ以外のケースでは、まあそれなりにインパクトのあるカタリストが必要だろう。
(例:ソードアート・オンライン。MMOからログアウトできなくなる+ゲーム中の死が現実の死と直結するデスゲーム開始)
[!important]
お察しの通り、第四の矢と第三の矢は位置が入れ替わることがある。
具体的には、序の開始時点で「夢」をもたない主人公が、第四の矢の破によって新しく夢を得る、という流れ。
ちなみに、この「第四の矢」は「序」に限らず、あらゆるタイミングで使うことができる。
例えばデスノートの「第四の矢」はどこだろうか。デスノートを拾った時? リュークとの出会い? Lとの遭遇? 答えはそのすべてだ。
また、そのたびに夜神月の「夢」は”強化”されていく。退屈しのぎがしたい→新たな秩序を作りたい→Lを排除したい、と、要件が増えていくのだ。
[!note] ポイント
一度制定した「夢」を壊すのはダメだが、夢の要件が増えたり強化されるぶんにはよい。
作品例
なぜ「矢」と銘打っているのか。特に第三、第四は作品によって解釈が大きく変わるため、ビートシートのように意味のある命題がついているとかえって思考を狭くするおそれがあるから。
《メイドインアビス》
<第一の矢:荒唐無稽>アビスという巨大な洞穴の存在、探窟家の存在
<第二の矢:非常識性>アビスの縁に作られた街で平然と暮らしている、巨大な蛇状の生物と果敢に戦う、吊るされる罰、日常に溶け込む遺物、etc
<第三の矢>
・夢:探窟家になってアビスの最下層まで行きたい
・夢の理由:母と同じ白笛(最上級の探窟家)になりたい
・物理的欠落:母がアビスの底で行方不明(おそらく死亡)
・精神的な欠落:母親の愛情の欠乏
<第四の矢>レグとの出会い
《不滅のあなたへ》
<第一の矢:荒唐無稽>創造主の存在、なんにでもなれる不思議な球の存在
<第二の矢:非常識性>石やコケや狼になっていく生活、集落でたったひとり暮らす少年
<第三の矢>
・夢(移譲):集落から出て広い外の世界を冒険したい
・夢の理由:ひとりでずっと生活するのは退屈だし寂しい
・物理的欠落:かつての集落仲間がみんな出ていった
・精神的な欠落:寂しい
<第四の矢>「少年」への変身、自我の取得の始まり
《ソードアート・オンライン》
<第一の矢:荒唐無稽>フルダイブMMOの存在
<第二の矢:非常識性>仮想世界を満喫する主人公
<第三の矢>
・夢:なし
・物理的欠落:現実世界が充実していない
・精神的な欠落:(自明)
<第四の矢>デスゲーム開始
<第三の矢・リプライズ>
・夢:アインクラッド100Fまで辿り着く
・夢の理由:ゲームからログアウトして現実世界に帰りたい
・物理的欠落:ゲームから出られない、生命維持装置がないと生きられない
・精神的な欠落:死の恐怖、幽閉の恐怖
《チェンソーマン》
<第一の矢:荒唐無稽>「悪魔」の存在、「デビルハンター」の存在
<第二の矢:非常識性>ポチタという奇妙な生物、ハンターとしての常軌を逸したバイト生活
<第三の矢>
・夢:女とイチャイチャしたい、うまいもん食いたい、遊んで暮らしたい
・夢の理由:
・物理的欠落:家族を亡くしている、いつも金欠である
・精神的な欠落:おいしいものが食べられない、日々生きるだけでギリギリである
<第四の矢>マキマとの出会い→公安としての新生活
《進撃の巨人》
<第一の矢:荒唐無稽> 人類を捕食する「巨人」の存在、巨大な壁の中で暮らす人類
<第二の矢:非常識性> 壁の外の世界を知らない、巨人の脅威に晒されながら生活している。
<第三の矢>
・夢:壁の外の世界を探索する
・夢の理由:外の世界への憧れ
・物理的欠落:壁の中に閉じ込められていること
・精神的な欠落:自由への渇望
<第四の矢> 超大型巨人の襲来、壁の破壊、母親の死
<第三の矢・リプライズ>
・夢:巨人を駆逐する
・夢の理由:肉親を殺し、自分たちを壁の中に閉じ込めている巨人への憎しみ
・物理的欠落:壁の中に閉じ込められていること、巨人の脅威に晒されていること
・精神的な欠落:自由への渇望、巨人への恐怖と憎悪
《ファイアパンチ》
<第一の矢:荒唐無稽> 氷の魔女によって世界が氷に覆われている、再生能力を持つ人間が存在する
<第二の矢:非常識性> 氷に覆われた世界で貧困と飢餓に苦しみながら生きている、食料がなければ自分の肉を分け与えて生きている倫理観、祝福者と呼ばれる特殊能力者
<第三の矢>
・夢:妹ルナと二人で静かに暮らしたい
・夢の理由:厳しい世界で妹と生き延びるため
・物理的欠落:貧困、飢餓、氷に覆われた厳しい環境
・精神的な欠落:平穏な生活への渇望
<第四の矢> ドーマの襲撃、妹ルナを焼かれて殺される
<第三の矢・リプライズ>
・夢:妹の仇を討つ、ドーマを殺す
・夢の理由:妹を殺された復讐心
・精神的な欠落:妹を失った喪失感、復讐心
[!tip]
特に第一の矢と第二の矢は、どんな作品にも堅牢に適用できるので絶対に守ろう。
第三、第四の矢は解釈の振れ幅が大きいので多少ブレるのはしょうがないか。
安定期(11%~60%)
ハッキリ言ってしまう。どんな作品も相対的に見れば必ず「中弛み」をする。
物語の理想形は「最序盤と最終盤が一番おもしろい話」なのだから、これは当然のことなのだ。
ここでやることはなにか? ふたつだけです。
- ヒューマンドラマ(80%くらいこれで占める)
- 「出題期」の準備(20%くらい、subtleに行う)
「出題期の準備」とはつまり、stasis=deathに至る不穏な伏線をちょこちょこと張り巡らせる。かつ、解答期に至るヒントも置いておく。目立たぬように、しかし確実に。
実は作家の腕が最も試されるのはこの安定期なのではないかと思う。再三言うように、読者が満足してあなたの物語を読み終えるためには、キャラクターに感情移入させることが必須である。
だから目一杯なんとかしてキャラクターを魅力的に映さなければならない。「世界の魅力」の土台は雑乱期で既に作られているべきだから、やはりキャラクター主体で。
ぶっちゃけ、ここが一番方法論が作りにくく、一番むずかしい部分。
https://x.com/frog_nishimura/status/1828043349233926168
中盤戦に関しては、専属で記事を設ける。
ぬか喜び期(61~69%)
仮初のゴール、何もかもがうまくいった瞬間。いわゆるミッドポイント。
ここを深く考えるというより、出題期までの助走と考えて欲しい。ジンガムル・ディオボロスの前のウィームーウォーみたいなもん。物語のトーンによっては最悪なくてもよいです。
出題期(70%~79%)
怒涛期までのスロープ。何かしら悲しいことが起こります。ずーん。
いわゆる「stasis=death(死の停滞)」であり、「主人公はもはや今までのやり方では(今まで通りには)生きられない」と気づく瞬間。ここで起きた問題をどげんかせんと物語が破綻するくらいの致命傷を受けた瞬間。
そんなに切迫した状況なのに「出題期」というよくわからない名称にしたのは、つまりこのstasis=deathは物語に対する「出題」なのだ。
進撃の巨人なら「地鳴らしをすればパラディ島は救われるが人類の大多数が死滅する。地鳴らしを止めればエレンが死ぬし故郷が滅びる。どうする?」であり、ジョジョ4部なら「敵は時間を巻き戻ることが出来る。既に仲間は全員未来で殺されており、このままいくと完全敗北になる。どうする?」である。
これにどんな解答をできるかで物語の最終評価の8割は決まるといっていい。
だから作家としては、まずプロットを考える段階でこの「出題期」と「解答期」を徹底的に練った方がいい。ここを抑えて+キャラクターを魅力的にできれば殆ど勝ったも同然だ。
具体的な出題のやり方
「ままならない二択」、「喪失」、「裏切り」のいずれかを選択するとよい。
- ままならない二択: トロッコ問題のような、いわゆるジレンマ。あっちをたてばこっちが立たず、という状況。リトバスのクドルートとか進撃の巨人とか。
- 喪失: 主人公にとって大切なものを奪うことで、深い悲しみや絶望感を与えます。大切な人との別れ、居場所の喪失、夢の挫折など、喪失の種類は様々です。
- 裏切り: 信頼していた人物からの裏切りは、主人公に大きな精神的ダメージを与えます。人間不信や孤独感を深め、物語にドラマチックな展開をもたらします。
それぞれへの解答としてベストなものは:
- ままならない二択への解答: トロッコ問題で全員を救うような、誰もが予期しなかった「第三の選択」で鮮やかにハッピーエンド。ご都合主義にならないように注意。[2.General Notes/小説の書き方について考える:細かい覚書#思索法1:第三の選択](/blog/2.General Notes/小説の書き方について考える:細かい覚書#思索法1:第三の選択)
- 喪失への解答:
- 「人」を失った場合:
- 死んでいる場合: 難易度高め。「故人の夢を叶える」か「復讐する」がベタ。両方が重なることも。(例:KH358/2)
- 生きてる場合: なんとかして取り戻す。敵の手に在るなら敵を倒す。
- 「力」や「信頼」を失った場合:
- 屈辱をたっぷり経験した上で少しずつ取り戻す。(例: オナマス黒沢、コードギアス『土の味』)
- 「人」を失った場合:
- 裏切りへの解答:
- 「裏切り」の前提の解釈を崩すのが一番楽。実は本意ではなかったとか、そいつも実は操り人形だったとか。そんで主人公が許すといい感じになる。ただどうしてもお涙頂戴依存になるのであんまり盛り上がりにくい。難易度高め。
怒涛・解答期(残り20%)
この編の理想は、「読者が一度もページを捲る手を止めない」こと。つまり、途中休憩無しに、一気に読み切ってしまうこと。それくらい熱中させること。
よくやりがちな過ちとして、主人公たちに世界の命運を握らせてみたり、やたらスケールをでかくすることがあるが、出題と解答はむしろ超パーソナルなものであるべきです。
(だからこそ面白い物語にはキャラクターへの感情移入が必要不可欠なのだ)
面白い物語を書きたいなら、出題期と解答期を重点的に考察するべきだろう。
[!important]
前提として、物語の「おもしろさ」は、キャラクター5割:プロット5割で決まる。
一番効率的なのはキャラクターの魅力を高める練習をすることである。
キャラクターが魅力的ならすべてにバフがかかる。アストラ・ヤオみたいなもん。
よい解答とは
いわゆる「どんでん返し」「プロットツイスト」がその王道とされる。
読者の予想を上回れるのが100点だ。予想を外すだけではいけない、外して下回ったらただの駄作である。
ここで、麻雀の「役」のようなイメージを想定して欲しい。
「解答」は、要素ひとつで決まるものではない。『ズートピア』は特に顕著だったが、麻雀役のように多数のカタルシス(気持ちよさ)を用意することで終幕の質は上がる。
カタルシスとは、伏線回収である。そして伏線回収とは、「反復」である。
「数値化が可能で、万人が納得できる客観的な基準」において最も有効なのは「作品内で完結するリファレンス(internal reference)の総数の算出」
存在する役
【反復系】
ターム式のメリット
- 各ターム内部の要素はある程度入れ替えがきく
- Save the catの弱みは、プロットポイントの位置を固定しすぎていること。本フレームワークは「分岐」を取り入れることで包括力を上げている
シーケンス式プロット(sequential plot)
劉慈欣の『中国太陽』『呪い5.0』、などがシーケンス式プロットに該当する。
人生の最初の目標:苦くない水を飲み、少しお金を稼ぐ。
人生の二番目の目標:明るい灯りと甘い水がある街に行き、もっとお金を稼ぐ。
人生の三番目の目標:もっと大きな街に行き、もっと広い世界を見て、もっとお金を稼ぐ。
人生の四番目の目標:北京人になる。
人生の五番目の目標:宇宙に飛び立ち、太陽を拭く。
呪い1.0
呪い2.0
呪い3.0
呪い4.0
呪い5.0
このように、物語内で明確な区切りが生まれる。章立てに近いが、それよりハッキリしている。チャンク名は物語内で黙示的にではなく明示的に表示され、そして1チャンクが短い。
目標が提示され、達成され、次が提示される……を明示的に繰り返すのだ。
ハンター試験、デスゲーム、面壁者など、ステージが進むにつれ人が減っていく物語もシーケンス式といえる?
だいたい5ステージくらいあればよさそう。
コアは目的が明示されることにある。「キャラクターたちが何をやりたいのかわからない」のが物語における一番のストレスなので、それをまず先手を打って回避出来るのが強み。
デトロイトビカムヒューマンのコナールートもこれに近しい。
提示されるのは短期目標なので、「大目標」か「終点」が提示されているとなおよい。
特にタイトルや序盤で終点を提示すると、読者にペース配分を掴ませられるのでとてもストレスフリー。終わりが見えない物語は何キロ走らされるかわからないマラソンのようなものでストレスになる。
終点提示の例:
・呪い5.0。タイトルに「呪い5.0」とついており、物語冒頭で「呪い1.0」が示される時点で、呪いが5.0まで進化したときが終点なのだとわかる。
・358/2。読みが「358 days over two」なので、358日を過ごすことが終点とわかる。
・ペルソナシリーズ。4月からはじまって1年間の学生生活と規定されている。
実験例
- 50%OFFの聖書
- 書き手としては、やはりこのフレームワークの手軽さはとてもありがたい。
Comments ( 0 )
No comments yet.