250209
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本記事は一週間前くらいに書いたものですが、ゆえあって公開が遅れましたのでいま公開となります。
アニメ版『N.H.Kにようこそ!』の最終話までのネタバレを含みます。
ていうか記事の公開順がゴチャつき過ぎて何を出して何を出してないのかわからなくなってきたので被ってたらごめん
NHKにようこそ、アニメ版、完走しました。
ドラゴンボールとワンピースを蒸留したような冗長さ、どう考えても24話も要らない内容でしたが、不思議と視聴後感はとても満足なものでした。それがNHK。いつだってそうだった。
マジで2/3くらいのエピソードは要らないです。1,2,3,22,23,24話の6話構成でいい。だが最後が良かったのでそれでいいのです。なんかハルヒの巨人みたいなの出てきましたけど。メチャクチャなのは原作も漫画もそうだし。
原作者はアニメ放映前に「原作や漫画よりもさらに面白いものを目指している」と言っていたそうだが、割と成功していてすごいと思った。順当に進化できる作品ってけっこう稀有です。
アニメ版、原作や漫画と比較にならないくらい岬を一番曇らせていてすごい。
個人的に響いたというか、思わぬダメージを食らったのが、以下の契約書に対する佐藤の反応。
【ダメで寂しい人間の相互扶助に関する契約書】
- 両者の間に次のとおり契約する。甲は乙を嫌いにならない。
- つまり、甲は乙を好きになる。
- ずっと心変わりをしない。
- いつまでも心を変えない。
- 寂しいときは、いつも側にいてくれる。
- といっても、乙が寂しいのはいつものことなので、つまり、甲はいつでも側にいる。
- そうすれば、たぶん、人生が良い方向に行くと思う。
- 苦しいことがなくなると思う。
- 約束を破ったら、罰金一千万円。
「ダメだ! こんなの、虚しすぎる……!」って言ったんです。絞り出すような声で。衝撃が走りました。ともはるが「切り身みてえだな」って言われた時と同レベルの衝撃です。
どんな言葉より残酷じゃないですか、勇気を出してこの契約書を差し出した岬ちゃんにとって。そしてどんな言葉より真実じゃないですか。本当に、信じていたんです、信じたかったんです、佐藤君がサインしてくれると、すべてがうまくいくと。だのに返ってきた答えは「こんなの虚しすぎる」。岬ちゃんはただでさえメンタルべっこべこだったんですよ。佐藤君が知らない女とホテルに入っていくとこを目撃したり、ねこが死んだり、暗にお弁当いらないって言われたり(これは誤解だが)。それでも一度も佐藤君に当たり散らさなかったのはえらい。
そして浴槽リスカ自殺。「お風呂でのぼせて怪我をした」と聞いた時はくっだらねーコンプラで規制しやがってクソカスがとブチギレたものですが、暗喩だったんですね。原作よりひどくなってるやん。睡眠薬一気飲みでの自殺と浴槽で手首切って死ぬのではどっちが過酷か。
ちなみに岬ちゃんが死のうとした側の岬にも網は敷いてあったんでしょうか。自殺防止で工事したんなら敷いてあって然るべきだとは思うが……佐藤君はともかく、岬ちゃんは事前に確認しないものかなぁ。いちおう映像だと後ろ手で向かってるから見えてなくてもおかしくはないのだが。
でも、とりあえず、なかったことにしません? 網。私はこれから「岬ちゃんを助けようとしたけど引き上げるのは間に合わなかったので岬ちゃんを抱きしめる形で身代わりになって岩盤に頭を打って佐藤君が死んだ世界線」の小説を書く作業に入りますので。佐藤君は最期に「ぜってー生きろよ岬ちゃん」という呪いを残して死ぬのです。だからどんなに後悔しても、どんなに死にたくっても、佐藤君との約束だから死ねないのです。
あれですよね。いくらクッション代わりになられてもあの高さから落ちたんだから岬ちゃんも骨折くらいはしてるでしょう。痛みに喘ぐより先に佐藤君のぱっくり割れた頭と脳が見えるわけです。岬ちゃんはおのが愚かさに絶叫し泣き崩れるのです。たっぷり10分くらいは。警察や救急車を呼ぼうにも携帯も圏外で通じない岬ですから、折れた足を引きずって誰か呼びに行かなければならない。しかも悪天候でしたから雨や雪が降ってもいいでしょう。それでも岬ちゃんは痛みと後悔で顔をぐしゃぐしゃにしながらも必死で街を駆け回るのでしょう。
諸々が落ち着いた後も死にたくて仕方がないでしょう。佐藤君の死体を毎日夢に見るでしょう。むしろ今が夢であってくれと何度も願うでしょう。こんなの嘘だと。やがて岬ちゃんは佐藤君と同じ銘柄のタバコを吸い始めるでしょう。佐藤君の匂いが恋しくて。生きろと言われしたが、タバコを吸うだけなら死ぬわけじゃないと言い訳を並べつつ、佐藤君と同じタバコで殺されたいと思って毎日異常な量を吸って肺をボロボロにしようとするでしょう。
佐藤君のお母様にも土下座しないとね。でもお母様優しいから、岬ちゃんを責めはしないでしょう。岬ちゃんとしてはむしろ責められたかったでしょう、めいいっぱい殴られたかったでしょう。罰による救いすら許されないことに絶望するでしょう。
でもこの苦しみも佐藤君への贖罪だと思って、苦しみながら生き続けるでしょう。俺ナナミンの分まで苦しむよ的な。
山崎に相談するかも知れません。どうすればいいのか。佐藤の意思を継いでゲーム制作を引き継いではどうかと言われるかも知れません。それでゲームクリエイターへの道へ進む岬ちゃんも面白いかも知れません。
岬ちゃんはずっと佐藤君の亡霊に取り憑かれて生きていく。そんな物語を書きたい。
こういう妄想を寝る前にやってると感情移入しすぎて普通にボロボロ泣けるの我ながらすごすぎる。己が岬ちゃんすぎる。
泣くといえば最終話の「どんなつまんない話でも聞いてあげる」からの一連のシーンでちょっと泣いてしまった。他では泣かなかった。

ドラマCD、牧野由依に淫乱がどうだとか言わせる羞恥プレイシチュがあって大変よろしかったです。
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