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今日も佐藤くんとの会話、あんまりうまくいかなかったね。
昨日あたしが「もう少し話していたい」って言った時、嬉しそうにしてくれたけど、あの時あたしなんとなくわかった。
どうしたら人を信じられるのか。
声に出る感情を偽るのは少なくとも、言葉を偽るより難しいはず。
だから声色が喜んでいたら、多分本当に喜んでいるって思うんだ。
多分上手い人はそれさえも偽造できてしまうけども、少なくとも言葉よりはよっぽど信頼できる。
あの時あなたが喜んで照れてくれたのは多分本当。
でも他のことは分からない。
あなたはいつも楽しそうにしているから、どれが本当の楽しそうなのか分からない。
あたしのために悩んで、あたしのために苦しんでほしい。
でも本当は、本当はあたしで喜んでほしい。
それができたら一番嬉しい。
でも、それができないなら、それができないから、あたしは、思わせぶりなことばっかり言って、佐藤くんを苦しめてるんだと思う。
本当のこと言っていい?
あたし、自分の気持ちが分からない。
佐藤くんがあたしに告白してくれた時、あたし分からなかった。
好きって言われて、愛してるって、付き合ってほしいって、本気で言われた時、あたしの頭に最初に浮かんだのは、どうしたらあなたが一番傷つかずに済むかってこと。
あなたに対する感情なんてこれっぽっちも浮かばなかった。
分からないの、誰が好きとか、何が愛だとか。
いっそこの体を抱いてもらったら、何か変わったのかな。
でもあたしとあなたは遠くにいて、それができない。
あなたがどれだけそれをしたかったかも知ってるけど、できないものはできないの、そういう風に生まれてしまったから。
あたし、あなたを失いたくないの。
あなたが好きって言い方は、多分、欺瞞。
大切なものをなくしたくないだけ。
あたしを支えてくれるものを失いたくないだけ。
それを好きって言っていいの?
それって愛なの?
あたしわからない。
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