良いプロットの条件
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[良いプロットの条件|good plot](/blog/良いプロットの条件|good plot)の翻訳記事。
一貫性
これは最も明確で具体的な要素です。一貫性の欠如は、ほぼ全ての場合で物語の魅力を損ないます。正直、一貫性のなさが物語を改善した例を覚えていません。
一貫性とは、物語内のルール・出来事・キャラクターが論理的につながり、矛盾がない状態を指します。具体的に考慮すべき点:
- 物語の要素: プロット・設定・キャラクター・テーマが調和し、矛盾しない
- キャラクターの動機: 行動や決断が性格・目標・信念と整合している
- 因果関係: 出来事が明確な原因と結果の関係で連鎖する
- ルールと制限: 魔法体系・タイムトラベルなど設定したルールは正当な理由なく破られない
特に主人公の動機は絶対に一貫させる必要があります。変更する場合は、変化のずっと前から伏線を張り、説得力を持たせなければなりません。ただし成功確率は低く、物語を台無しにするリスクが高いことに注意しましょう。
要素の良い反復
良い反復と悪い反復が存在します。悪い反復は極力避けるべきです。
良い反復の条件:
- 異なる文脈で使用
- 前回使用から十分な間隔がある
- 物語を進展させる(動機の強化・ひらめき・問題解決など)
悪い反復の特徴:
- 同じ文脈で頻繁に繰り返す
- 物語の核心に進展をもたらさない
目安として、同一要素の反復は最大3回までに抑えましょう。
感情的な近接性
読者がキャラクターに共感し、物語世界に入り込める度合いを指します。重要なのは:
- キャラクターの感情や反応が人間らしいこと
- 読者が共感できるキャラクターを常に存在させること
読者を置き去りにしないよう注意が必要です。例として『進撃の巨人』のジャン・キルシュタインは、主人公エレンの衝動性に対し読者の疑問を代弁する役割を果たします。キャラクターが全員好人物である必要はありませんが、常に誰か1人には共感できる状態を維持しましょう。
ペーシング
物語の展開速度のバランスです。アクション・説明・考察を適切に配置し、読者の興味を持続させながらキャラクター成長の機会を確保します。
重要なのは「密度」です。ページ数ではなく、情報の濃密さが成否を分けます。『DEATH NOTE』(全13巻)が複雑で魅力的なのに比べ、100巻以上の退屈な作品も存在します。基本的には速いペースを維持しつつ、要所で速度を調整しましょう。
# 退屈な小説
基本速度 = 10
# 加速
基本速度 *= 1.5
# 減速
基本速度 *= 0.5
# 優れた小説
基本速度 = 50
# 加速
基本速度 *= 1.5
# 減速
基本速度 *= 0.5
分岐可能性
優れた物語は自然と多くの二次創作を生みます。これは「物語が分岐を想像しやすい構造」だからです。具体的には:
- プロットポイント(転換点)を多く設定
- 特定のシーンを変えるだけで異なる展開が可能
- 予想外の展開で読者を驚かせる仕掛け
ゲーム実況動画で予測不能な展開に遭遇するプレイヤーの反応が面白いように、読者に「もしあの時…」と想像させる余地を残すことが重要です。物語に「反応動画を撮られる」ことを想定して、驚きの要素を散りばめましょう。
感情操作
感情操作というと聞こえが悪いというかおこがましく思えるが、要するに読者に「え?これどういう感情で見ればええん?」という思いをさせてはならない、ということ。
シリアスな場面のつもりで書いたのに、読者が「笑う場面」と認識してしまったり、あるいはその逆だったり。
重要なのは、「読者のリアクションと作者の想定リアクションの不一致」が必ずしも問題であるわけではないということ。問題なのは実際に発現する反応ではなく、「読者が想定する『作者が想定した反応』」そのものが不確定な場合だ。
作者が想定した雰囲気 | 読者の実際の反応 | 読者が想定した『作者が想定した雰囲気』 |
---|---|---|
シリアス | 笑い | シリアス |
これはOK。つまり「作者はシリアスなつもりで書いてるんだろうけど、あかん笑えるw」みたいな「シリアスな笑い」は、まぁ正確には技巧好しとは言えないのだが作品において特に大きなデメリットにはならない。
作者が想定した雰囲気 | 読者の実際の反応 | 読者が想定した『作者が想定した雰囲気』 |
---|---|---|
感動 | 笑い | 笑い |
これも、技巧的にはダメだが、感情操作という要素においてはこれでも最悪のケースではない。最悪のケースはこちらである。
作者が想定した雰囲気 | 読者の実際の反応 | 読者が想定した『作者が想定した雰囲気』 |
---|---|---|
シリアス | --- | わからない |
このケースにおいては、「作者が想定した雰囲気」にあたる部分がどんなジャンルであろうと確実に作品において致命的ダメージとなる。とって欲しいリアクションが分からないということは、話の根本的な筋を理解させられていないということで、先に言及した「読者置いてけぼり」の最も悪い形となる。 |
非線形の語り口(nonlinear narrative)
[!example] AI Guide
- Start in the middle or at the end instead of the beginning. This immediately establishes that the story will not follow a chronological timeline.
- Use flashbacks and flash-forwards liberally to jump around between different time periods. This fractures the narrative sequence.
- Have split storylines following different characters or plotlines that interconnect or are revealed to be related later.
- Use recurring symbols, motifs or phrases that create connections between separate narrative sections.
- Play with narrative perspective by switching between first-person, third-person limited, third-person omniscient, etc in different sections.
- Consider using forms that lend themselves to nonlinearity like vignettes, frame stories, or nested narratives with stories-within-stories.
- Utilize ephemera like letters, news clippings, interviews,etc to fragment the story across documents.
- Don’t explicitly reveal all connections - allow some threads to dangle or mysteries to linger for readers to interpret.
- Use recurring symbols or objects to unite disparate sections thematically if not chronologically.
The key is creating a literary form that mimics the disjunction of memory itself by rejecting straightforward chronology. With a nonlinear structure, you can emphasize subjectivity, themes and poetic resonances over objective plot progression.
非線形の語り口は、個人的に「推理小説」などと同じく「必ず物語が面白くなるフレームワーク」のひとつになりうると思っている。
そもそもchronologicalでない物語というのは広義的にはとても多くの媒体で用いられている。「番宣PV」「ゲームの発売前PV」「OP映像」などはある種そのひとつである。時系列順ではなく、目を引く場面を繋ぎ合わせて一つの物語となっている。あれが一番原始的な形のnonlinear narrativeであり、なぜそれが魅力的なのかというのがlucidになるキーポイントだと思う。
思いつく利点
マクガフィンを利用しやすい
時間で繋がらない分、エレメントーつまりキーアイテムの複数回に渡る登場で読者にシーケンスを”予測”させることになるため、アイテムの重要性や再利用性がとても高い。
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