眠れ
この記事を閲覧するにはアカウントが必要です。
我々が一番心を許してるのは
恋人でも親友でも家族でもなく
自室に横たわるベッドだろう
死体みたいな体を引きずって歩く帰り道
考えるのは帰宅の解放感か明日の重圧か それは奴らの気分次第だ
ベッドの上で娯楽に耽る時間だけが僕らの安心だがそれさえも永遠を許してはくれない
その証左としての希死念慮
夜になると不意に襲ってくる衝動
目を閉じても逃げられない現実
耳を塞いでも流れ込む我が忌まわしき鼓動
こんなはずじゃなかった 昔は神童と呼ばれた少年
今は人としての権利を喪失 行き場をなくした期待どもは鋭利な失望となり僕を貫く
フラッシュバックする失敗、後悔、過ち、友達
希望の糸は何度も降っていたらしいが
滑落を恐れた僕はそれを何度も見逃していた
その果てに出た言葉が「まだチャンスが来ないだけ」なら僕もいよいよ潮時だな
終わりのない思考の迷路 ベッドの上で迎える1時間
行き着いた場所はやはり自殺願望 何百回も辿ったこの航路
それをどこか誇らしく思うほど僕も落ちた
いや そう思わなければやっていけないほど僕は間違った
今死ねばこのゴミみたいな迷路を抜けられるか
もういい うるさい おやすみなさい
ベッドは不思議な魔力を持つ
寝て起きると消えている希死念慮
まるで治療のように捉えていたが
それはむしろ病理としての健康だ
眠る事で必死に誤魔化していた
本来の僕の 心の叫び
押さえ込まれても何度も叫ぶ
遺伝子の底からそれを叫ぶ
子供向け端末のNGワード
社会に仇なす不道徳を叫ぶ
死にたい 死にたい 死にたい 死にたい
上司 電車 社会 全部消えろクズども
闊歩する善良なる市民たちも3万人を間接的に殺したテロリスト
最も幸福な瞬間に呼吸を止められなかった 死に場所を失った現世に未練などあるものか
死にたい 死にたい 死にたい 死にたい
深夜2時に一人で熟読する完全自殺マニュアル
今目の前にロープがあったなら間違いなく終わっていた
そうである人はきっと今の世界には少なくないな
珍しくもない死体 抵抗にもならない幕切れ
死にたい 死にたい 死にたい 死にたい
金持ちの健太はコネで大企業に就いた
僕は出生ガチャでことごとくハズレを引いた
それでも必死に頑張ったのにその末路がこれか
最後に復讐として嫌な奴を殺す勇気もないな
死にたい 死にたい 死にたい 死にたい
なんでもいいから早くエンドロールをくれよ こんな僕を作ったスタッフどもの名前を見せろ
そしたら一生恨んでやる 恨む一生をなくしても恨んでやる
Comments ( 0 )
No comments yet.