生きない

一ヶ月ほど前にあるアーティストに出会ってから、僕はほぼ毎日彼の曲を聴くほどに彼の世界に嵌った
彼には幾つかの名前があり、彼自身「自分の名前を出さないで欲しい」と言っていたので名前は出せないが、
某ジャンルのMAD製作者としても有名な人だ
チップチューン＋ジャズ　といったドンピシャ僕の好みのジャンルを主に作るようだ
コード進行が独特で、何度も転調しているのにピッタリ曲とハマっていたりする
無論メロディのセンスもずば抜けている　一度聴いたら離れないような、どこかノスタルジックなメロディだ
とにかく今まで見てきたあらゆる作曲者と違う、彼の独自の曲たちに僕はすっかり魅了されてしまった
彼は今消息すらわからない状態にあるが、僕は彼の曲を聴き続けるためだけにでも生きていられる
それほどまでに僕の脳裏に深い衝撃を刻み込んだ
しかしどうして僕の好きなアーティストたちは、不幸であることを望むのだろう
彼らの世界にたどり着きたいならきっと僕もそう在らなければいけない