今夜ロマンス劇場で
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内さまを見てたときのCMに推されて、今夜、ロマンス劇場でという映画を履修した。これは多分女性向けの奴だったね。悪くはなかったけど、期待してたほどでも……う~ん。
最序盤の引きはものすごく良くて、姫初登場あたりから急降下して、中盤で姫の秘密が発覚するところで裏返って終盤まで右肩上がり、現代に戻ってからやや停滞してラストで・。・ってなったって感じです。
一番最初に浮かんだ欠点は「2周見ることが前提」になってる作りだと思う。姫の序盤の身勝手な言動でヘイトを溜めるのは完全に計算通りで中盤の秘密が分かった時に「あ、そういうことだったのかぁ!」となるための布石だったんだろうけど、マトモな人間ならこのレベルだと中盤まで見る前に視聴やめますからね。全部見てもらえる前提で作ってるときついかな。布石のために序盤をストレスフルにしすぎている。ある地点を盛り上げるために他の地点を意図的につまらなくするのは下手な人間のすることですよ。とにかく中盤に持っていくための展開の仕方がかなり強引でした。辻褄合わせを重ねまくった感じ。
個人的にオモシロイと思ったのは、最鬼門であるオチの付け方(このたぐいの映画だと、そこまでがどれだけ良くてもオチの付け方如何のみで傑作か粗大ゴミかが決まる)をなんかずり~感じでFLEEしてる感じ。世界線とかループとかそういう概念がないクセに、全ENDを網羅してるのはかなり異質。過去編でノーマルエンド(問題解決には至らないが、先延ばしにすることでかりそめの平和を維持)、未来編でトゥルーエンド(過去編では開けなかった共破滅ルート。俺もこれが一番無理矢理ではない美しい終わり方だと視聴途中から思っていた)、劇中劇でハッピーエンド(結末的には幸せなんだろうけど、フィクションでしかできないご都合主義。こっちのエンドを本物にしていたら多分叩かれたと思う)とすることで、可能な限り広い層のストライクゾーンに収まろうとした感じが、例えるなテストで用語から選ぶタイプの選択問題が出て「どっちかは『ア』なんだけどどちらかが確証が持てない」というとき、二つともをアと記入することで+0~+2のレンジのうち+1を確実に取りに行くような、そういう盤石な姿勢を感じられて面白かった。
細かいダメだったところ。雨降りの演出に頼りすぎ。2時間もない一編の中で計5~6回、雨に頼ってたぞ。心中描写のための環境効果として雨が使いやすいのはわかるけどさぁ、あまりにも都合よく雨が降り出しまくるもんだからギャグにしか思えんかった。後サブヒロイン良い子すぎねぇ?昔の文学作品なら泥沼ですよ。最近三角関係絡みの陰鬱な本ばかり読んでるせいか、あまりにも物分りが良すぎる気がした。せめてもうちょい抵抗しようや。
後は、姫が白い傘をずっと持ってたのにオカリナっぽいのを探す時なぜか放り出してんのが最初メチャクチャ謎だった。画面の前で抗議していた。なんでやねん???何のための傘やねん!!!ズートピアならこの傘”回収”してるぞ!!と。脚本家的には、たぶん片手を傘で塞いで探してたら効率が悪い上に万が一人がやってきて猛タックルでラディスしようとしてきた時に傘を持ってると動きが鈍くなるから逃げられなくなるってことなんでしょうけど、にしてもなぁ~。傘をずっと持ってたのは呪い対策なんでしょうけど。それなら主人公はあの時点で秘密を知らないんだから「まぁ傘持ってるしいいでしょ……」ってなって探しに行かない気がするんですけどね。あんだけやられて”もううんざり”してる所だったんだから、急に手のひらを返しているのにかなり違和感があった。この時点で「この脚本家、女か??」って思ったんだけど違いました。何にしてもラブストーリー系が苦手な気がする。ご都合主義の重ね着にしかならんから。まぁご都合主義という点でいうならこの映画はマシな方だとは思うけど。こんなきつい呪いの設定、普通ならなんとかしてデウス・エクス・マキナで解除する方向性に行っちゃいそうなところを堅実に破滅エンドにしたのはよかった。まぁ60年以上もあのNG行動守り続けんのは無理ゲーな気もするけど。死体になれば生物はモノとなる=呪いの適用外っていう裏技を巧く使えても面白かったと思うけど、まぁ無理っすよね。使いようがないからな。
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