丑満時
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暗い夜道にあなたと二人 燈りの側へ
暗い夜道にあなたと二人 鏡合わせの光
淡い夢と見紛うほど 薄暗い月
ああ 祈りさえ許されない別れ
今際に咲くシネラリア
朝に灼かれても尚もまだ
消えることのない日々を
忘れる事の出来ないまま今日も
独りの夜に沈む
瞼を泳ぐのは飴細工のような魚
夜空を翔ける流れ星よ僕を攫ってくれないか
呼吸も覚束ない意識の中 あなたを探す
かすむ青も 落ちる紅も 瞳に溶ける
悪魔が馬に蹴られて死んで誰が笑ったのか
蠍の火がぼんやり揺れて何が変わったのか
くだらない自己陶酔だ 其処は全部嘘だらけだ
馬鹿らしいよな 深くフェーダーかけて忘れてしまえよ
夜に焚かれても今もまだ
褪せることのない日々を
擲つこともできないまま今日も
一人で夜に沈む
今も覚えている 手錠の様なあなたの
罪を引き裂く逢瀬の果て
淡く呪いのような声
「愛の意味さえ知らぬ君へ 童話のような一夜と
跡すら残らぬ口づけで 私と死ねたつもりなのか」
暗い夜道にあなたと二人 鏡合わせで
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