ロジットチャペル-1話ゆれる二つの心-那由多町に咲いた恋感想
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あれだね、伊勢田氏のアニメの感想書こうと思うとメモ帳が必須なんだよな。とにかく理詰めで精密に造られた作品だから考察できる要素が本当にたっくさんあって、でもメモしながら観るっていうのも楽しみにくいし無粋なのでしていない。つまりフルパワーでの感想を書けないというヤマアラシのジレンマが起きています。ヤマアラシまったく関係ない。
とりあえずオレの中では伊勢田作品には共通して最低でも二つ以上のテーマがあると思っていて、今回は「教会」と「数字」。登場人物の名前は一貫して数字の位になっている(恒河沙、阿僧[祇]、溝、載極)。舞台の名前は「那由他市」でこれまた数字の単位。ちなみに大きさ順だと那由他>阿僧祇>恒河沙>極>載>溝となる。現状、市長の娘という飛び抜けた権力を持ち、載極を退けてオーディションに一人勝ちした溝が一番低いっていうのがニクいねぇ~。今後の展開の布石でしょう!!これも多分考えてつけてるんだろうな。あと那由他が市名で登場人物を包括するような位置にしたのか。そう考えると「ロジットチャペル」というタイトルも面白くて、ロジットというのはロジット関数という統計分析において対数オッズを関数化したものを指すのだけど、OPだと「ロジット」に「10^64」という文字があてられていたんですよね。10の64乗は「不可思議」でちょうど那由他の上。予言しますが、これ……無量大数エンドだな……(?)
対して教会要素は今の所かなり薄い。宗教テーマは「ロザリオにおねゲッchu」で一度やってるんだよな。ウエディングプランナーという設定は相変わらず斬新だけど、主人公のキーアイテムであり冒頭でも出てきたロザリオはどう関わってくるのだろう。「ロザリオ」と「ロジット」で若干踏みにいってるのかな。アニメ的には教会がフロントエンド(表テーマ)で数字がバックエンド(裏テーマ)なはずなんだけど、目立つのは不思議と数字の側という。
しかし相変わらずヒキがうまい。ヒキがうまいし入りもうまい。いい感じにシンメトリーにできそうなイントロなんですよね……主人公とライバルキャラの位置関係を短いシーンで完璧に表現できている。アイテムも使ったから再利用しやすいし。ついでにここにも「数字」の要素を結構強めにいれている。
主人公、女友達兼ライバル、女友達と仲いいイケメン、最終的に主人公と結ばれるイケメン2という4人キャラ配置は伊勢田物語の基本形なんですけど、今回割と早い段階で分裂したのでけっこう読めないかも。まあ阿僧と沙が結ばれるってところは揺るがないと思うけど……エンジェルプディングみたいなこともあるからな……”どっち側”の作品なのか最後の最後まで読めないのも伊勢田作品の魅力。少女漫画と見せかけてSFに偏らせるのか、そのままラブラブで終わるのか。
総評としてはとにかくヒキが強めだったんで2話が気になるという所。スタートアップはベタだがベターといった感じでまずまず。
ちょっと残念だったのが、アニメなのに漫画のページそのまま使いまわしのシーンがあったこと。最近……最近多いぞそういうの。正直覇気を感じない。時間かかってもいいんでベストの出来を頼むぜ……
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