リスタートムーン

踏み外した瞬間を
誰にも見られなくてよかったなんて
愚かしいことだった
忘れた頃に肥大してゲームオーバー
やり直しの効かぬことばかり
夢らしい夢も諦めた
ひとりぼっちの部屋
静寂より煩い物なんてなかった
嘘はいつもやさしいふりをして
奈落へと私を突き通すのでしょう
ならばすべて信じなければいいはずだった
あなたに逢うまでは
塗り替えられたの　瞼の裏まで
胸が震える感動と
歪んだ呪いを溶かす言葉
ああ、変わってしまう
失ってしまいそうで
とてもとても怖いけれど
止められない　止められない
「好き」で満たされていく
手を伸ばして　手を伸ばして
どこまでもついていく
あの日ついた嘘が
誰も傷つけなくてよかったなんて
あさましいことだった
すべての罪はまだ裁きを待っていた
応報に降り注いだ因果
巻き込まれてしまったあなた
泣き濡らした枕
どうかせめて
あなただけは笑えますように
嘘はいつも冷たいふりをして
不器用に私を守ってくれたのでしょう
すべて無為に終わるとしても
悔やみはしない
あなたに会えたこと
どうか許さないで
私のことを
酷く歪んだ旋律と
枯れ果てた涙の醜い跡
ああ、終わってしまう
なんて苦しい
とてもとても辛いけれど
ありがとうも　さよならも
大切に抱き止めた
幸せも　不幸せも
あなたがくれた光
枯れ落ちていく
月が満ちては欠けてゆくように
おかえり　届いて
奇跡のような淡い日々へ
こんな毎日を
何度も切り裂く
荊の鞭のような音
すべて自分で選んだことだから
逃げ出したくない
祈りではなく
この言葉で伝えなくちゃ
寂しいも苦しいも
噛み殺して歌うよ
恋焦がれてたの
闇を引き裂く瞠目を
溶けて消えてしまいそうになるほどに
報われてしまうのが寂しいほどに
君を愛してたの
離さないで　忘れないで
痛みさえ抱き止めて
終わらないで　歌い切って
物語の続きを
ここからがリスタート