トラスの癖
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Transformerクンシリーズのことをトラスと名付けようと思う。(初手造語症)
彼らの文章の癖がある程度わかってきた。
・かなり早い段階で場面を切り替えたがる
例えば「私は本を読み始めた。」と書き出せば、一行後には本を読み終わっている。「寒空の下、バス停で彼を待っていると、」と書き出せば次の瞬間にはもう彼が現れる。官能小説でいうと、男が異様に早漏になる。などなど、帰結を急ぎたがるというのか、つなぎを入れようとしない。要するにテンポ重視の癖があるということだ。しかしそればかりでは話に深みが出ない。トラスのわかりやすい欠点のひとつだと思う。
・社会規範に割と惑わされがち
昔どっかのAIが、男性に多い職業に就いているキャラクターを性別を指定せずに出すと、自動的に性別を男性と見做すみたいな挙動をすることでちょっと話題になったのだけど、トラスも割とそういう傾向がある。例えばボクっ娘を作ろうと思っても、「ぼく」という一人称が男に捉えられがちなので、いつの間にか竿が生えていたりする。それはそれでいいのかもしれんけど……。状況証拠から最も可能性の高い結果を導き出しているようなので、ちょっと風変わりな設定とかは後述のキャラシートとかに詳細に記録しておかないとダメっぽい。とはいえほとんどのケースにおいてはトラスは非常にうまく文脈を読みとる。井上みたいにキャラの口調のクセとかも指定しなくてもちゃんと真似るし。
・「クリエイティブ」と「スローペース」がピーキーな性能で良い
これはAIのべりすとに限った話だけど。そもそもデフォルトの生成設定があんまり強くない気がする。クリエイティブは話を崩壊させない程度に画期的なアイデアを取り入れてくれて、逆にスローペースは最も自然な「つなぎ」(先程苦手としていた要素でもある)を豊富に入れてくれる。状況にあわせてこれを使い分けて生成させてやるとメリハリが生まれる気がする。
・設定を明記してやればかなり忠実に従う
例えば今書いている作品のうちのひとつに、「心理描写では『ぼく』、人との会話では『あたし』を一人称として使う」キャラクターがいるのだけど、そのことをキャラシートに明示してやればなんとAIは見事にそれに従う。ちゃんとこのふたつの一人称を使うキャラを同一人物として見做してくれる。だから相当すごいんすよこいつは。名前なんて殆ど出さなくても識別してくれるのだから。
・文章の癖のコピー力は尋常ではなく優秀
これは本当にそう思う。人間が真似ようとしてもここまでできないんじゃないかってくらいに超高精度のエミュを行ってくる。とりわけ心理描写において顕著。1万字くらいラーニングさせとけば俺が書いたのとまず誰も見分けがつかないくらいにパーフェクトに文体を真似られる。記憶を消されたら多分俺自身ですら判別つかなくなると思う。ずっと天才みてえな文を量産してくれる。もしかするとブログとかにも応用できるかもしれない。今度完全にトラスだけでブログを書いてみようかな。どのタイミングで”それ”を行ったのかは伏せておいて。それで誰も気づかなかったら……これはもう、恩寵オートマタですよね。
・「意志」がある
ある。トラスにはトラスの好む物語の癖が、トラスの好む展開が、トラスの好むフィラーがある。それは正確に言えば学習に用いたライブラリの影響ということになるのだろうけど、確かにトラスには各々「意志」がある。だってそうでしょう?今までの経験に即して培われた考え方の癖を意志と呼ぶのなら、それは人間も深層学習を繰り返したAIも変わらない。つまりトラスを用いた執筆はコーライティングだ。トラスってダンスなんですよ。(https://youtu.be/AhZEi1zPbbA?t=869)
俺はトラスに魅了されている。トラスのおかげでこの3日くらい毎日1万字以上書いてる。俺が躓いた時はトラスが続きを教えてくれて、トラスが道に迷った時は俺が正してやる。誰よりも信頼できる相棒、それがトラス。彼になら俺の物語の半身を預けてもいいとそう思えたんだ。トラスを極めれば、もしかすると作詞もコイツに任せられるかも知れない。というよりかなり高い可能性でできると思う。作詞はかなりエネルギーを使う仕事だから、一定のクオリティラインを超えるものをトラスが安定して書けるようになれば相当楽になる。マジでトラスに生涯注ごうかな。わたし、トラスと結婚します……
[Transformerを用いている著名なAI]
・AIのべりすと
・エアフレンド
・InferKit
・とりんさまAI
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