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人工っぽくない人工言語、自然言語っぽい人工言語、みたいな看板に心底辟易しております。お前らの謳う自然言語っぽさって「西洋言語っぽさ」の間違いだろと。人工東洋言語を一度でも作ったことがあるのか、というか日本語以外の東洋言語を一度でもまともに学んだことがあるのかと。
表記も残らずラテン文字か西洋っぽい創作字だしよ。まぁ、利便性を考えるとラテン文字とか入力が楽な表記に頼らざるを得ないのは分かるけども、それなら例えばハングルでも漢字でもいいわけで。ていうかカタカナでもいいわけで。まさかラテン文字はよくてCJK文字はオリジナリティないからダメなんて言わないでしょうね?
人工言語制作なんて人生で何一つやることがない人間が最後に行き着く地獄なんですから、逆張らなきゃ嘘だよ。そしてこの場での逆張りはまさしく東洋言語ベースで言語を作ること。漢字やハングル、タイ文字を使って言語を作りましょう、みんな。
ほとんどの命は跡形も残っていないという事実。縄文時代に生きた人間の個人を特定できる痕跡なんで0.001%も残っていないだろう。その頃にも子供はいたろう、家族もいたろう、なにかしらで遊んだろう。会話を交わしたろう。我々はその会話の一片どころかどんな言語を使っていたかすらまったく知らないのだ。いったい何億のダイアログが世界から消えていったのだろう。
古代語に興味があります。できるだけ古い言語を覚えたい。旧い人間になりたいから。
解読されているうちで最も古いのは3200 BCEのシュメール語だとよく言われているんですが、縄文人って一万年以上前の人間ですよね?(14,000 BCE - 300 BCE) 縄文時代に話されていた言語の候補としてアイヌ語があるんですが、マジならこっちのが古いのでは?
イオルは狩り場という意味ではありませーん!!(古美門) 山奥という意味です。しかしこれだけではまだまだ説明不十分です。そもそも「山奥」がアイヌにとってどのような存在だったのか、を知らなければなりません。
「イオル」とはアイヌ語で伝統的生活空間を指します。私たちが普段の生活の中で、スーパーで食材を仕入れ、ホームセンターで家の材料を探し、病院で治療を受けたりするのと同様、アイヌの人たちは山や自然から生活の材料を調達し、植物等を薬草として使っていました。現代の私たちが生活圏として見ている範囲が、アイヌの人たちにとってそれが山や自然であった、ということです。
そう、つまり山で生活するアイヌの人々にとっては、イオルこそが生活の住処であり、同時に生きるために必要な一切(木材、動物、植物など)を手に入れる場所でもあったのです。
さらにいえば、『地名アイヌ語小辞典』(1956)にはイオルという単語はこのように定義されている。
iwor イうオル
神々の住む世界。具体的に云えば狩や漁の場、或は 生活資料(衣料・食料・燃料・建築資材など)採集場としての山奥または沖合。
どこから「神々の住む世界」が出てきたのか?ここまでの情報を辿れば明確です。アニミズムを信仰するアイヌは、カムイ(神)が宿りし自然からの恵みの在処として山を見ていた。カムイの棲む世界はすなわち自然界、そして山はその象徴となったのです。
すなわち、イウォル(iwor)の最も正確な定義は「神々の住む世界」つまり「自然」。それが生活資料を手に入れる場所という意味で「狩り場」と訳されたのです。我々がhunting groundと聞いて想像するようなそれとは大きく意味が異なります。
言葉ひとつ拾ってもこの奥深さ。語学学習をはじめて以来つくづく思いますが、AIではlanguage exchangeの体験を補填することは絶対にできない。言語を知ることは世界を知ることだ。文化を知ることだ。生活を知ることだ……そこに根付いている(た)生命の息吹を感じることだ。
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