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今月いっぱいでインターネットをやめる
昔作ったゲームを全作クリアして、今はっきりと分かった……インターネットが俺をダメにしたのだと。
昔の俺は輝いていた。技術力は今より拙かったかも知れない。誰にも見向きもされなかったかもしれない。それでも俺は何事も気負いはしなかった。自由にものが作れていた。本当に楽しそうだった。描かれるキャラクターたちも生き生きとしていた。命を感じた。
なぜ昔にできた事を今できずにいられよう?それは俺の心が燻んでしまったからに他ならない。このインターネットという瘴気のために。溢れる誹謗中傷、のろい、恨み、妬み。知らなければ良かった事ばかりなのだ。
さようなら、インターネット。正確には相互意思疎通が可能なインターネット(一日一描などの一方的なポストは今後も行う)。あなたは僕を殺しもしたが、しかし僕の生きる意志を何度も繋ぎとめてくれたただひとつの存在でもあった。親も友達も居ない俺を支えてくれていたのは蜜のように甘い毒だった。
俺には……俺には、本当に何もなかったんだ。母を喪ったあの日からすべてが枯れて視えている。それも人の悪意に殺されたのだ。あれは殺人にはならないらしい。あの日から人が嫌いになった。社会が嫌いになった。不登校時代の運動不足と食生活の不振が大人になってから今後の一生を引きずる重しであると知るのです。子どもの頃に充分な栄養をとれなかった人間の人生は破綻する。体力もなく学もなく、友もなく、未来もなく、俺にあるのはいつだって自由帳と鉛筆だけだった。俺には物語があった。物語だけが俺の希望だった。もう十年以上前からずっと続いている物語があるんだ。1人をのぞいて話したことはない。物語は続いていく。そうだろ?俺以外彼らの人生を描けるものはいない。それだけが俺の生きる意味なんだ。今までも、そしてこれからも。
俺には秀でたものなど生涯を通して何一つなく、ごく稀に近づいてくる希望は、俺を誘い込んでは手が届く直前になって蝶のように飛び去っていく。そのたびに手を伸ばした自分が惨めすぎていっそう辛くなるのだ。どんな時もそうだった。助かる、そう思うたびに、必ず何か悲劇が起きてすべての希望をさらっていく。良い夢は見れたかよとでも言うように。そうやって俺はすべてを失ってきた。何もない人間が、内なる思い出さえも奪われていった。
俺を好きになったことのある人間は居たが、そのすべてが俺の本性に気づくと見切りを付けて去っていった。冷たい目をして、失望の色を浮かべて。俺は自分に好意を囁いてきたすべての人間の「その顔」を見てきた。
何も無い。
おれの人生は
妄言を吐き散らすだけのくだらないものだった
だからこそ俺は、とうの昔に「それ」を演じきると決めていたのだ。しかし今はどうだ。言の葉を吐くための妄想すら枯渇する始末だ。妄言も吐けなくなれば終わりだ。「くだらない」にも満たない、無だ。無駄。
俺ははじめから終わりまでずっとそうだった。ただ、それに気付いていなかったのだ。しかし、それで良かったんです。インターネットが俺の目を醒させてしまった。盲目で良かったのに。インターネットが憎い。俺だけじゃない、色んな人の希望を奪い去った。夢の世界のような顔をして、やっている事は「淘汰」そのものだ。ずっとそうだ。
「お前の人生 意味なかったな」で締める遺書があったが、こんなものは誰もがそうなんです。誰の人生にも意味などない。しかし、「あなたの人生」にしかできない事はある。それこそが物語だ。良い悪いじゃない、あなたの物語はあなたにしか描けないのだ。それがドタバタ喜劇であったとしても、形容仕様のない悲劇であったとしても。描けるのは命を受け持ったひとりだけだ。どんな終わりも、見届けられるのはあなただけなのだ。
俺もそうだ。「一度きりの人生、どうせなら楽しもう」なんて思わない。思った事はない。なぜならたとえ見るに耐えない惨劇に終わるのだとしても、それもやはり俺だけの「一度きりの人生」だったのだから。輝きで鉱石の重量が変わるだろうか?俺たちは同じだ。一線上だ。何も無い。はじめから何も与えられていない。インターネットが俺たちを欺いた。「与えられている者」がいると幻惑させ、「自分は選ばれなかったのだ」と押圧してきた。俺たちは全員、誰も選ばれてなどいない。はじめから無意味だった。無価値だった。宇宙におけるこんな小さな星のこんな小さな蛋白質に意味などは無い。そこがはじまりだ。それを受け容れる事が俺たちのスタートラインだ。無意味ながらに描くしかないのだ、自分だけのドラマを。俺はもう決めたのだ。
俺は去るよ。何十年の一瞬であっても、自分が大切と思うものを抱き抱えていたい。ずっと前からこのアルバムで音楽は辞めると決めていたが、良い機会だからアバターも壊してしまおう。二度と会えなくなる人たちも沢山いるが、俺が会いたいだけで誰も俺に会いたい者はいないからその糸がつながっているのはむしろ俺を苦しめているのだろう。俺はひとりで行くよ。寂しく無いと言えば嘘になるけど、これ以上残りの「砂」をインターネットの奴隷にはさせない。
今までインターネットに別れを告げた事は何度かあったけど、一度も言えていなかった。今回は言おうと思う
ありがとう
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