逆に何故英語を解せないのか
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一度自転車の乗り方を覚えた者にとって、補助輪をつけてひいひい言っている人は赤子のように弱く見えるだろう。
一度自動車に乗り慣れた者にとって、外周で30kmも出てないのにビクビクしている教習生がさぞ間抜けに見えるだろう。
一度ぷよぷよの組み方を知った者にとって、7連鎖もできずにアワアワしている人の脳が信じられなくなるだろう。
数学を極めた者にとって、高校数学程度を理解できないヤツのことこそ理解できないだろう。
同様にして……ある言葉を解す者にとって、その言葉を解せない者のことを解すことはできないのだ。
つまり。なぜ、あなたたちは英語がわからないのですか?こんなにも簡単な言語を。いいや、これは冗談ではない。英語は、世界的に見ても相当簡単だ。確かに不規則ではあるが、土台として覚えるべきことは非常に少ない。名詞の性別もなければ複雑な格変化もない。意味不明な時制もないし、教材は湯水のようにある。無論、世界を探せばもっと簡単な言語もあるが、話者17.5億人の英国語というのは世界共通語になるべくしてなったといえる程度の難易度ではあるのだ。
なぜ読めないか、書けないか、聴けないか、話せないか、答えは明白です。「してないから」。してないものが勝手にできるようになるわけがない。自由と幸福は突然、天から降ってはこない。全ては諸君の意思と働きにかかっている。(ヒ並感)
幸か不幸か、この極東の小さな島では文明のガラパゴス化により英語をまったく解せなくてもひとまず生きていける世界が構築されている。実態としてはそれだけでかなり盲目になるのだが、それにひとりでに気付くのは、二次元にいる点がZ軸への移動方法を知ることくらい難しいだろう。異国語を知るということは、この国に存在しない文化を、価値観を、我が物にするということだ。あえていおう、それは”劇薬”である。この国の常識が、倫理が、正義が、良い悪いではなく、根本から否定される世界に触れるのだ。ハッキリ言って日本に在住している限りはその外のことを知っても得することは特に無いのだけど(*人間がものごとを知ることに基本的に得は無いのだけど)、人間の探究心というのは誰かに言われて抑えらえるものではないよ……(グ)
ということでね、英語の勉強の仕方、教えますわ。もう何回も教えてるけど。
まず、日本の英語教育の根幹ともいえる「5文型」という概念だが、いきなり破壊的なことを言いますが、こんな概念捨ててください。ええ。意味ないです。そもそもこの5文型という概念自体が古代の遺物で、1.5世紀くらい前にイギリスの文法学者が作り出したもの。当時はある程度世界的に英語学習に用いられたようだけど、ほどなくして世界中から「なんだこのわかりにくい考え方!?(驚愕)」というブーイングがおきやがて教育の場から消えていき、なんと今この概念を教育に使ってるのは日本国だけです。韓国は最近まで使ってたらしいけど、ついにあそこもやめたらしい。なんで意味ないっす。いや、意味ないっていうか……使えないこともないのかもしれんけど、チュートリアルで手を出すようなものじゃない。一応擁護すると、韓国はアジアの中だとかなり英語力高い方なので、そこが5文型を使っていたということはまるきり産廃というわけでもないかもしれない。ただ少なくとも世界的英語教育においてはこんないにしえのシステムは使ってないので覚える意味が薄いということ。
じゃあ代わりに何をフレームワークにすればいいのかというと、シンプルに「品詞」を覚えてください。もう、こんな話をすること自体が頭が痛いのだけど、なんらかの第二言語の語学学習をしない限り「品詞」って意識しないよね、意外と。俺はもうこうやって日本語書いてるだけでも全部の言葉の品詞がわかるようになったけど、もちろん英語勉強するまで「りんごは名詞、歩くは動詞……」みたいな風に考えてもないし知りもしなかったし。ただ、品詞さえ覚えればまぁ読めるのよ普通。品詞がわからないから迷子になる。「文章」というブロックにおいて品詞が出現できる位置はある程度定まっているから、そこから逸脱しない限りは追えるはずなのよ。ベーシックを逸脱する、たとえば分詞構文とかも、わからん殺しというだけで「分詞構文というパターン」を覚えれば読めるようになるわけで。パターンを覚えるゲームですこれは。
……品詞って、どれくらい直感的に理解してもらえるものなのだろう?(・・?)名詞、動詞はさすがにわかるって思っていい?形容詞、副詞もわかる?接続詞、接続副詞……助動詞……あ、ついでにいうと「助動詞」とか「Be動詞」という概念も世界的にはあんまりない。まぁ、基本的に名詞・動詞・形容詞・副詞・接続詞・疑問詞くらいわかれば事足りるかな……あと感嘆くらい。すっっごい大雑把に言うと、名詞はゲームでいうオブジェクトで、動詞がアクション、形容詞は「きれい」とか「かわいい」とか名詞を修飾するもの、副詞は「~のように」とか「~っぽく」とか動作のやり方を具体化するもの、疑問詞はそのまま誰とかどことかいうの、接続詞は文章と文章あるいは品詞と品詞をつなぐもの。感嘆詞は「あああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!(ブッチチ」みたいな感じ。覚えたね?よし。で、わかると思いますけど、「名詞」と「形容詞」は常にセットで出現するんですよ。もうこれだけである程度合体できるでしょ。副詞は基本的に動詞を修飾することが多いけど、必ずしもそうというわけではなく、「名詞以外」ならなんでも修飾できると大雑把に覚えていいでしょう。コイツは割とどこにおいてもいい。それ故にややこしいとも言えるが、逆に言うと副産物的なものでしか無いので最悪副詞は全無視しても文章の総意は崩れにくい。まぁ崩れるのもたまにあるけど……。hardlyとか。
ただ、英語はやはり多義性・曖昧性がわりかしあるので、Garden-path sentenceみたいなのに出くわすこともある。そういうのは事故と思おう。まぁ、よく考えれば分かるから。それでも。Buffalo buffalo Buffalo buffalo buffalo buffalo Buffalo buffaloが読めるようになれば実績解除だ。
でまぁ、その……具体的に何やりゃ覚えられるんだって話ですけど、とにかくやってください。読め、書け、聴け、話せ。まぁ、わかるよ。言うは易し行うは難しくんですよね。なんで俺が決めます、もう。みなさんが何やればいいのか。
・「書く」について
原則ルーチンとしてできることは「単語学習」に尽きる。一日n語覚えると決めて1年くらい続けてください。続く量でいいんで。ただ、絶対にやらなければいけないのは「定期的復習」。単語学習は復習に命がかかっているといっていい。一度覚えた単語は、容易に、とても簡単に忘れます。何度でも何度でも復習してください。とりあえず半年で1500語くらいは覚えたい。俺ははじめ1年で確か7000語くらいだったけど。3000語くらいまで覚えると簡単な文ならあんまり躓かなくなってくるはず。それは覚えた単語数もそうだけど、このあたりになると英単語の法則性が読めてきてある程度知らない単語でも推測がつくようになるからだ。全く見たことも聞いたこともない単語でも、品詞くらいは判別できるようになる。それがかなり大きいと思います。
で、単語学習以外だと、余裕があれば「写経」と「単語消費トレーニング」をやるといい。どっちも俺が考えたんだけど、写経はそのままGutenbergとかから無料英語小説をちょっぱってきて、書いてあることを書き写すだけ。「自分で書き写す」というのが大事。こういう単語の使い方があるのか、とか考えながら手を動かすことで割と身につく。模写と考え方としては全く同じ。「単語消費トレーニング」は、個人的に忘れがち・覚えが悪い単語などを30語ほど書き出して、それらの単語を「できる限り消費して」一編の小説を書いてください。小説でなくてもエッセイでもなんでもいいけど、とにかくひとつの文章としてそれらの単語を文中で消費すること。2000文字くらいには収めよう。
・「読む」について
ただバカ正直に「英語読むぞ英語読むぞ英語読むぞ!!!」で続けられるヤツは今頃ハーバードとか入ってるんで、何か「英語でしか読めない+どうしても読みたい」ものを見つけてください。エロが一番いい。なんか……海外のエロ絵師とか探してそいつの書いたエロ本を読もうとするとか……。エロでなくても絶対的原動力になるものが何かあればそれを使っていい。とにかく、英語を読む云々の前に「その文章を読みたい!」というドライブが働く何かを探すこと。読みたくもない文章を「勉強だ!」という義務感だけで読んだ所でまず続かない。続くならそれでもいいけどね。続かない。
・「聴く」について
ゲーム・オブ・スローンズを原語で見てください。以上。字幕はありでもいいけど、英語で聴いてください。8シーズンだいたい10話1時間あるのでだいたい4800分ほど英語を聴くことになる。一度観始めたらまず止まらなくなるので途中離脱は早々ないと思う。さっきの話にも繋がるけど、とにかく「義務感」ではなく「能動的欲求」によって英語に触れ続けられるようにするのが大事。ゲーム・オブ・スローンズはメチャクチャに面白い海外シリーズなので観てりゃそこそこ英語力つくと思う。ただ前提として聴こえてくることの少なくとも2割くらいは解せるくらいの地力はもっておきたい。
あるいは海外のYouTuberとかにハマってもいいが、まっさらな状態からハマるのは結構難しいだろう。ある程度英語力がついてきて話してることがそこそこ聞き取れるようになったらそれもいいかも。
・「話す」について
日本に住んでいるとこれが一番難しいだろう。海外の友達を見つけられればベストだが、無理そうならDMM英会話とかに課金するか、その金もなければLingbeというアプリの利用をおすすめする。これは詳細は省くが、無料で使える英語話者と会話できるサービスだと一番優良。かつコミュ障に優しい。詳しく知りたければggrks。それとこの機にひとつ幻想を解いておくが、日本人は執拗に「英語ネイティブ」にこだわるが、冷静に考えて英語話者人口17.5億人のうち「ネイティブ」と呼ばれるのは3億人程度しかいないのだから、もしビジネスやらで英語を使うとなると「非ネイティブ」と関わることのほうが圧倒的に多いわけで、むしろ「非ネイティブ」と会話できる力を身につけることをおすすめする。またネイティブといってもアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなどでアクセントも単語のチョイスも全然違ってくる。アジア人が英語ネイティブと遜色ない発音まで辿り着くなどどこまで言っても不可能で、また「そうする必要」もまったくといっていいほどないため、通じる程度の発音を身に着けたら後は趣味の域であることを理解しよう。
また、どうしてもコミュ障すぎて海外の人と話すなんてできない><という場合はSiriにでも話しかけるといいだろう。発音が正しく聞き取られているかのチェックにはなる。日本語と違い英語の音声認識機能はかなり発達しているので、正しい発音ができていればまず聞き取られるはず。逆に聞き取ってもらえないなら何かしらしくっているということ。
「文法の勉強」は、とりあえず中学英語程度までをマスターすれば後は躓いたときに調べるくらいでもいいと思う。最低限絶対に必要なのは所謂関係代名詞を全く問題なく読める力。……読めないヤツいる?いねぇよなぁ!!文法ルールなんて多すぎて書き上げようとも思わんが、思いつく限りで必要そうなのは:
・関係代名詞
・動名詞
・仮定法
・The 比較級 S V, the 比較級 S V構文
・so that構文
・as 形容詞 as
・too 形容詞 to 動詞
・現在完了(perfect tense)
・助動詞の「過去形」という距離感
・分詞構文
これくらいあればとりあえずよくない?(・・?)知らんけど。あ、過去完了は覚えなくていいです。いやいいってことはないけど、たぶんみんなが思っている以上に使わない。小説とかだと多用するけど、イギリス英語どっぷりとかでもないとそれくらいしか使う機会がない。あと分詞構文―特に文頭分詞構文は「会話」ではまず使わないので文章限定と思っていいかと。ただ、文章ではメチャクチャ使う。
もちろんここに書いたのは大前提の超基本なんで、深めようと思えば底なし沼だけど、ま^~~これだけあればとりあえず根本から迷路になるようなことはあんまりないでしょう。それとは別に熟語を覚える必要は大いにあるけどね。ぶっちゃけ英語で迷うことがあれば9割型熟語を知らないせいなので。そこはまぁ……頑張ってください。知らない熟語にあたるたびに逐一メモ書きしろ。それで二の轍は踏まなく鳴るから。
ひとつモチベーティングなことを言っておくと、英語を覚えるのに「才能」みたいなのは一切いりません。必要なのは、「継続」だけ。一朝一夕で覚えようとせず年単位のスパンで学習を続けていれば自ずと誰でも解せるようになる、ちょうど今キサマが日本語を操れるように。とにかく復習を怠らないように。復習を怠るのはハンターハンターで「凝」を怠るのと同じだから。忘れないようにその頭に嫌というほど刻みつけておけ。この記事の総体は未来の俺への警告でもあります。最近ホンマにひどいで。Man the Fuck Up!
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