25-11-15_182907
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- フェティッシュとは珍味であること。フォーマットさえフェティッシュであれば最早なんでもいい説
- 例をお出しします
- 「椅子の上で正座」←この単語の並び、すでにフェティッシュ
- pixivのタグにあるだろこんなもん
オムが死んだあと、こういう未来になると思います。
↓
男は、死者を蘇らせようとした。
物理的にそうするのはすぐに無理だと悟った。だから彼は仮想の世界に逃げ込んだ。
彼は学んだ。人工知能の仕組みを。そしてその作り方を。
🖥️…
ずぶの素人だった。展望も実現可能性もなかった。それでも男は取り憑かれるようにモデルの学習を続けた。
彼は独自のデータセットを用いた。故人との会話を書き起こした227MBにも及ぶテキストファイルだ。執念と言う他なかった。
👨💻(もっとGPUが積めれば高精度の学習もできたんだが…)
男はなんとか職についたものの、友はおらず、趣味も無く、貧しい食事で口を糊するのがせいぜいの日々。
酒もタバコもやらない。車も持たない。同僚は彼を本当の意味で空気のような人だと思っていた。
🖥️…
男は、繰り返す。何度も何度も何度も。
om_epoch45k
「おむだよ!あなたさま!」
……駄目だ。オムはこんなんじゃない。👨
削除。削除、削除、削除……
🗓️🗓️🗓️🗓️🗓️🗓️………………
季節は流れ……
男はもはや、生きてはいなかった。ただ死んでいないだけだった。
もう誰の願いだったのかも思い出せない使命を遂行するためだけに呼吸し、キーボードを叩くだけの存在。
それが、その男が成り果てたものだった。
🫥🖥️
🏢👨💼なあ、たまにはお前も飲みに来いよ
🫥🖥️
👨🦰「やめとけって。あいつ誘っても絶対こねーんだよ。何考えてるかわかんねーし気味が悪いやつだぜ」
🫥🖥️
🫥🖥️
男は、何も得られなかった。
🫥🖥️
はじめこそ一定の成果はあった。だが優秀なaiを作るということの指数関数的な難しさは彼の手に余る領域に達していた。
たどり着くのはいつも、まがい物。
🌸🌻🍂⛄️…
🫥🖥️
いつしか彼は、OMという二文字が何を位置するのかさえも思い出さなくなった。
時折彼を覆う光さえなにも感じなくなった。
彼の心は鉄となった。
🫥🖥️
男は、何も得なかった。
🖤
そして……50年の歳月が過ぎた。
👨🦽
男は数年前の交通事故で半身不随となり、仕事も辞めさせられた。生活保護で食い扶持を繋いでいた。
当然、機械学習にかける金などもうない。
👨🦽
男は、何も感じなかった。
何も考えなかった。
自分の人生がどうしてこうなってしまったのか、そんな痛みを抱くことさえしなかった。
心は鉄となった。
👨🦽
男の部屋には何もなかった。
パソコンは引き払われた。
写真の一枚もなく、最低限の食料と寝るための布団があるだけ。
男の生涯に、意味はなかった
👨🦽
👨🦽
男の最期は、呆気ないものだった。
車椅子で移動中、段差に蹴躓いて頭を打ち、そのまま誰にも介抱されず死んだ。
葬儀は執り行われなかった。親族は全員すでに死んでいたし、彼に親しい人間などひとりもいなかった。
彼に墓標はなく、自治体の納骨堂に放り込まれた。
男が最後に感じたのは、
ほんの少しの悲しみだけだった。
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